2015年もよろしくお願いします。
若さに身を任せて生き急ぎたいと思います。


モンスター


私の顔面は醜い。美女というものは大して何の努力もせずに
小さいころからちやほやされ、いろんな男から言い寄られ
就職活動においても顔のおかげで苦労することもない。
それに比べて私のこの醜い顔はなんだ。ろくな職にもつけない。
恋もできない。優しさをかけてくれる人もいない。
どうにかしたい。どうにかしたい。どうにかしたい。
ふと雑誌を見ているといつもなら流す整形の広告に目が止まった。

それからというもの、私の趣味は整形となった。
一重瞼を二重にする。
鼻を高くする。
顎と口のバランスを整える。
口角をあげる。
目と目の間の感覚を整える。

美女というのは顔のそれぞれのパーツに個性がなくすべてがバランスよく
普通である。一つでも尖ったものがあると美女ではなくなる。全てのパーツを普通に。

整形資金は水商売で貯めた。
はじめは醜い顔を隠せるSMしか働くことができなかった。
整形の数が増えるにつれピンサロ、ファッションヘルス、そしてソープで
働けるようになった。

今ではすれ違う男すべてが私の顔を見る。
すべての店員が私に優しくする。
私を見て知的で賢いと評価する。

だって私は美女なんだから




生まれつきコンプレックスを持った女が整形と出会ってすべてが変わる物語。
醜い顔面の時に出会った短大の教授が「女性は外見ではなく内面だよ。それをわからず外見ばかりで人を判断する男が多いけど、僕は必ず内面を重視するよ。」
と言う。しかし整形後にその教授と出会うと「皮一枚違うということはすべてが違うということさ」
ところりと嘘八百を述べるあたり男の性欲がにじみ出てて面白い。

恋した男に美女として出会うことで復讐を企てるあたりはまさにモンスター。
最後の終わり方もモンスター。

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